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困った。
同じクラスになったツナは、そりゃもういじめられっこだった。ちびっこいからな。悪いが、なよっちかった。
可愛いけど。
一人で行動して、一人で飯食って、たまにクラスの奴に話しかけられては、嬉しそうに、どもって笑って、答える。
可愛いな。思い返しても可愛いな。
小僧と会ってからは、犬が一匹まとわりつくようになって(要するに獄寺だ。あいつも面白いのな)、たくさんの友達に囲まれている(しかし、あれは友達なのか。雲雀とか了平さんとか)
ここまでは良い。
良かった、ツナが一人じゃなくなって。オレも一緒にいれて。
友達ができて充実した生活を送っているせいだろうか。最近のツナはつやつやしてる気がする(純粋な意味で)。
可愛さが当社比5割ましだ。
嬉しいさ、好きな子が可愛くなるのは、本当に。
しかし、おかげでツナに温かな眼差しを向けるのはオレ一人じゃなくなってしまった。
そんな、むやみやたらにキラキラするもんじゃないと言ったら、「ディーノさんじゃないんだから」と爆笑されてしまった。
可愛いとしか言葉が出てこないぜ、末期か。いや、もとからこんなんかも。
今だって、つま先立ちで棚の荷物を取ろうとしている。届いてるけど、危なげない。
「ちょ、山本!!なに笑ってんだよ!!オレだってこんぐらい届くんだからな!!」
見てろよ、ばーか!!と、捨て台詞。可愛いな。
あぁ、困った。
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