雪のおかげ

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「花岡真紀です」 「若いよねー。年は?」   優花は少しお姉さんぶって、微笑みながら問う。   「17です」   真紀の答えに智之は 「若っ」 と、思わず声をもらす。 裕二が智之になにかを言おうとしたときに、真紀はギターを弾き始めた。   「…なぁ」 「ん?」 「さっきのやつらより下手じゃ…」 智之は裕二に言いかけたが、優花に睨みつけられ途中で口をすぼむ。 裕二は真紀の顔をジッと見つめたまま何やら考えていた。 スタジオは徐々に重たい空気に包まれ、真紀の表情も段々雲っていった。
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