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「いいじゃん」
演奏を終えお辞儀をした真紀に裕二は言った。
「いいってなにが?」
智之はオイオイってそぶりで言う。
裕二は立ち上がると、真紀に話し始めた。
「俺な、今日はすごい遅刻したんだ」
真紀は小さくうなずく。
「遅刻したもん同士仲良くやろうぜ」
「なんだその理由」
智之は少しイラついた声を出した。
「いいの?」
優花は裕二に心配そうに聞く。
「いいわけな…」
「最終決断はリーダーの仕事だろ?」
智之の言葉を塞ぐように、珍しく浩が口を開いた。
「裕二がそれでいいんなら…」
「じゃあ決まりだ。よろしくな」
裕二は真紀の頭を軽くポンと叩く。
「優花は裕二に甘いんだよ…」
智之がつぶやくと、優花は赤くなりかけた顔を隠すように、下を向いた。
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