プロローグ

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打ち上げはいつもと同じバーで行われた。 このバーは裕二の中学の時の同級生が経営している。   「しかし寂しくなるよな。結構長いことやってたから」   智之はウェイターからビールを受け取ると隆に渡した。   「しかし新しいギター探さないと続いていかないっしょ。あてはあるのか?」   隆は智之のグラスに軽く乾杯をしながら言う。   「隆は自分が何人目のギターか知ってる?」   優花は笑いながら隆の横に座った。 首を傾げる隆に優花は 「4人目よ」 と、イジワルそうな目付きで隆を見る。   「優花に飲ますとヤバイぜー」 そう言う裕二の目も完全に酔っている。 「まぁまた募集をかけるさ。気にすんな」 「おぅ」 智之の言葉に、隆はビールを一口飲みうなずいた。 「そうだ。気にするな隆」 「おまえが言うなよー」 隆の肩を叩きながら優花が言うと、裕二は指を指しながら笑った。 「酒さえ飲まなきゃ良い仲間なんだがな」 浩がつぶやくと隆は 「そうだな」 と笑みを浮かべた。
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