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花火の音がする
1人で見る花火
意味なく化粧して 浴衣なんか着て
部屋の灯りを消して
ベランダから身をのりだして見たよ
1人で見る花火は無性に切なくて
涙が流れる
「どうしていなくなってしまったの?」
1人で呟いて
その声はむなしく空を切る
思い出したあなたとの思い出は
まるで花火の様にはかなく散ってしまった
黒い涙
私の気持ちを映す鏡の様に
好きなのに嫌いな人よ…
声が聞こえる
川辺にあるアパート
見た目は悪いけど
誰にも邪魔されない私達の特等席
2人で見る花火は妙に綺麗で
笑顔をこぼす
「いつまでも一緒だよ」
恥じらって呟いて
その声は花火の音にかき消される
思い出したくないあなたとの思い出は
まるで花火の様に綺麗に光っていた
黒い涙
私達の気持ちを映す鏡の様に
嫌いなのに好きな人よ…
落ちたマスカラ
黒く…黒く…
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