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記憶
「ちーちゃん」
「ちーちゃん」
暑くもなく寒くもない丁度いいくらいの天気の中幼い幼い声がした。
何故だろうその声はいつもいつも聞いていた心地良い声に聞こえる。
「なぁに?」
返事して振り向く少女も幼い幼いいつかのものだった。
周りは一面花だらけで小柄なその子達は下半身まで花で埋まっていた。
「お花の冠作ったんだよ。君が女王様で僕が騎士。だからずっとずっと君を守ってあげるね。」
「守…る?」
「うん。ちーちゃんを悪い奴等から守るよ。そしたらちーちゃんとずっと一緒だ。嬉しい?」
「うん!」
それはきっと確かなモノ確かな約束。
小さな幸せ。
今も大きく大きく残る真っ赤な花とあなたとの笑顔。
今もその花の名を思い出すにはぼやけ過ぎていてわかりづらく…
けれどそのぼやけて見えた真っ赤な背景があるかぎりあなたの事忘れずにいられる気がした…
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