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『我が居た場所は三界の中が一つ、地界』
「三界って…。現世、地獄、天界の3つの世界の事を言う、あれ?」
そう尋ねると、『なんだ、知っているのか』と、見えない者が呟く。
「左様。そして今、現世を除く二つの界で、王を決める試合が開催されている」
試合?
それって、もしかして…。
「これ、が王を決める試合、なの…?」
見えない者は何も言わなかったが、頷いたような気がした。
その後、見えない者から簡略に『試合』の説明を聞いた。
その試合とは、三界の中で最も力を持ってない私たち『人間』と協力し、戦うという事。
地獄の民は地獄の民と。
天界の民は天界の民と戦うという事。
敗北の判別は、内にいる異界の者が降参するか、人間が死ぬ事。
『他にも教えるべき事は沢山あるが、今は時間が無い』
そう、私を追ってきた少女が一番端の部屋の扉を勢い良く開ける音がしたのだ。
端の部屋に私が居ない事を知った少女は、ゆっくりとした足取りで二つ目の部屋に向かう。
ガタガタと震え出しそうな体を抱き締め、何とか震えを堪える。
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