~もしも雄木沙良がか弱い女性であったら~

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私の名前は雄木沙良。よく分からないけど、気が付いたらこんな森の中にいました――― 翔『ふぅ~いったいこの森はどうなってるんだ?』 愚痴をこぼすのは気付くと隣に居たカッコイイ男の子♪ 沙良『ほ、ほ、本当にここは何処なんだろね?』 翔『あぁ…何だか嫌な感じがする…』 沙良『嫌な感じ?』 翔『いいか。俺から離れるなよ?』 ポワー 沙良『は、はい!!』 顔を赤らめ必死で後をついていく 二~三十分後――― 翔『ハァ…ハァ…ハァ…』 翔は息をきらす。まだ二~三十分しか歩いていないが、この薄暗い木々達が意外な程に体力を奪っていく 翔『結構歩いたな…そろそろ休もう―――― と、後ろを振り返りながら言った言葉が詰まりに詰まる―― 翔『え?』 いないのだ あの雄木沙良がいないのだ まさかの迷子である 翔『………』 こんな事本編じゃあり得ねぇ!!とムダなツッコミを心に思い――― 翔『お~い!何処行った~』 声を張り上げ探す 翔『お~い―――― 『キャァァァァァァァア!!!』 翔『なっ!?』 叫び声―― ――否、悲鳴 翔『くそ――』 走り出す―― くそ―― ――くそ 俺のせいだ。俺が彼女から目を離していたからだ―― 彼女を守ると決めたのに―― 俺は―― 俺は―― 翔『どんだけバカ野郎なんだ!!!』 自分に罵りの言葉を放ち走る 翔『いた!!』 見つけた―― 座り込んでいる―― 周りには!? 誰もいない―― 翔『おい!!大丈夫か!?いったい何があった!?』 沙良『グスッ』 振り向いたその目は真っ赤になり、涙が溜まっている 翔『何があったんだ?襲われたのか?』 沙良『グスッ―あのね。グスッ―あそこ――』 と、指をさす 翔『何があるんだ……』 息を呑み言葉を伺う 沙良『虫がいたの』 翔『そうか…虫か…』 ―………… 翔『………』 ―……… 翔『………』 ―………… 翔『てをぉぉぉぉい!!何が虫だ!!あんたは虫なんか軽く踏み潰す感じだろが!!ヘンテコな空気のせいで、いつもやらないノリツッコミしちまったじゃねぇかぁぁあ!!ダメだダメだダメだぁぁぁぁあ!!こんなんムダに疲れる!!』 もしも雄木沙良がか弱い女性だったら―― 検証結果――― 翔が壊れます。小説の雰囲気が壊れます
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