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夜。 タバコ臭い隣の部屋に行く。 「兄貴…。何度俺のセックスをみりゃ気が済むんだよ…!」 ベッドでギター雑誌を読んでいる。 「…わりぃ。つかお前、ちゃんと避妊してるか?」 「してるよ!」 雑誌を床に放り投げる。 「…亮也…。遂に来たぞ…。」 …? 来たぞって…? まさか? 「ringレコードから話が来た…!」 ………! 「え…ま…まじ…?やったな…!兄貴…!!」 兄は屈託ない笑顔を俺に見せる。 「しゃあ!スペックスメジャー進出だ!」 ハイタッチをする。 「…そう言えば、今日見た女の子…この前と違ったな?」 「!?…は?何が…?」 いきなり話を変えやがった。 「いや…前はもっと可愛かった…リョウコちゃん…じゃなかったっけ?二股かけてんの?」 よく覚えてるな…。 「…俺は兄貴と違ってモテるんだよ…!」 タバコに火をつける。 進められたが俺は遠慮した。 「俺は一途なんだよ。」 兄は言う。 「…。」 「俺…兄貴の彼女みたことないぞ。年上?」 蒸気機関のように煙をはく。 「いいや、同い年。俺の彼女…学校の先生目指してて猛勉強してんだ。あいつ、トロいからなぁ…。」
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