一夜の出会い

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「ねえ、アヤちゃん。あの人あなたのこと、ずっと見てるわよ」 同じく慰安で共に旅をしている富子の耳打ちで、 アヤは初めて、 正治の熱い視線に気付いた。 「素敵な人じゃない?」 悪戯っぽい富子の声も、 アヤにはすでに、 届いていなかった。 視線が重なりあった その瞬間、 彼の眼差しがあまりにも熱を帯びていたから。 アヤは目を離せなかった。
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