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ヤバイ!
姿勢を崩した俺を見たオッサンはチャンスとばかりに飛び上がる。
態勢を立て直そうとした俺の手には柔らかい毛の感触が。
さっきのキツネか!? 何でもいい!! オッサン目がけブン投げた!
「クわっ!?」
投げたキツネにぶち当たったオッサンは変な声をあげて落っこちた。
次のアクションは重要だ、相手より有利な姿勢をとらないと。
お互いに姿勢を立て直したのはほぼ同時だった。
俺は膝をつき射撃姿勢をとるとライフルのトリガを絞った。
セミオートの三連発射の乾いた銃声が続き、焼けた鉛玉がオッサンをぶっ飛ばした。
俺は血の海でもがくオッサンを見下ろす。
肺をやられると自分の血で溺れちまう、これが相当キツイらしい。
俺はオッサンの頭部に鉛玉の餞別をくれてやった。
これで楽に地獄へ行けるってもんだ。
放り投げた獲物を拾うとキャンプに向かって歩みだした。
後で知ったがこのオッサン、ゴブリンとか言う鬼の仲間らしい。
しかし、これが始まりだとは誰が予想できたよ………
「はぁ、疲れた…」
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