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そいつは俺を見ると、醜い笑顔を作るなりまくしたててきた。
「旦那ぁ、いやぁ…」
バシュン!
すぐさまハッチを閉めると目を瞑り自分に言い聞かせた。
(きっと夢見てんだ、いや腹減りすぎて幻覚でも見てんのかぁ?)
「だんなー、なあ、聞いてくれよー旦那ってばよー」
いや、聞こえるぞ。
再びハッチを開けると、やっぱりブタ野郎がそこに居た。
「へへへ、旦那すげぇゴーレム乗ってんだな、それにさっきの小鬼共やっつけたの見たぜ! 旦那はすげぇ魔法使いなのか」
はぁ?
「だってよ、離れてるのに全部倒しちまっただろ」
ああ、あれね。
「そこでよ、旦那。 旦那にお願いが…」
奴が話を切り出す前に俺の腹の虫が遮った。
「おお! なんだ旦那腹減ってんのか、早く言ってくれよ!」
よく分からなかったが、俺はブタ男に言われるまま着いていっちまった…だって飯食わせてくれるみてえだし。
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