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昭和19年4月
僕はペリリュー島に配属となった。
ミッドウェーの海戦以降、日本軍はアメリカ軍に押され始めたらしい。大本営はアメリカ軍の進撃を阻止するため、絶対国防圏を敷いたようだ。ペリリュー島はその最前線に位置づけられたらしい。僕ら第14師団は中国からそこに送られた。
「おい神崎、ペリリュー島ってどんなとこだよ?」
同僚の松田が話しかけてきた。昔から一緒だった。小さい頃から。
「さあな、知らんな。」
「お前地獄耳だろ?なんか情報あるだろ?」
「ねえよ、そんなもん。ただ、小さい島らしいぜ。」
「そんぐらい想像つくよ。」
そのとき、上官がやってきた。
「まもなくペリリュー島に到着する。皆上陸の準備をせよ。」
一同:はっ!
やっと到着か…長かった。
「どんな島だろうな、神崎。中国みたいに住民が抵抗してくるかな?」
「知らねえよ。出来ればアメリカ軍来んなよな。」
「そりゃそうだ(笑)」
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