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「……」
龍人はなんだか不満げな表情を浮かべていた。
「まぁまぁ!今はいいあっている場合じゃない!早く裏の通路から外へいくぞ!」
亜喜良がそう言うと龍人は諦め、義二に背を向けた。
そして亜喜良たちは義二に教えてもらった隠し通路に向かった。
「!!待って!じぃはここに残っててくれ!」
「何をおっしゃられますか!亜喜良様方だけを!?」
亜喜良の突然の言葉に後を追うじぃは足をとめた。
「じぃ、外よりは断然にここの方が安全だ。」
「し、しかし……」
やはりじぃは拒んだ。
「ありがとう。でも俺たちにもしもの事があったら臨宮家や会社の事などどうする!!俺たちはじぃを頼りにしてるんだ。だからじぃはここに残ってくれ。」
亜喜良はにっこりとじぃに微笑んだ。
「あ、亜喜良様…。」
じぃは溢れだす涙を必死でこらえた。
「じゃ行ってくるよ!」
亜喜良はそう言うと隠し通路へと向かった。
「あっ!忘れておった!おまえたちこれを持っていきなさい。」
突然義二は亜喜良たちを呼び止めた。
そして義二は亜喜良たちに小さな画面のつい腕時計のような物をそれぞれに投げ渡した。
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