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辺りは暗闇に包まれ、全ての音は響く事さえ許されない、そう思わせる様な真っ暗の静寂の中――
天辺に昇った月明かりだけが、唯一自らを照らす
そんな夜。
俺は、重大な選択を迫られていた
(…このままじゃ、間違いなく奴に殺される!)
冷や汗のせいか夜のせいか、触れて行く風が妙に肌寒い。
こうなるつもりはなかった
誰だって、後悔する時はそうだろう
生き残るには走って逃げればいいのか?
しかし、俺は奴から逃げきる事ができるだろうか
奴を殺せる可能性など無いに等しい。
どちらにしろ無傷で助かるのは無理だ
俺は、ただ逃げる為にここに戻って来たわけじゃない。
――そうだろ?
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