No00.-suit-スーツ

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辺りは暗闇に包まれ、全ての音は響く事さえ許されない、そう思わせる様な真っ暗の静寂の中―― 天辺に昇った月明かりだけが、唯一自らを照らす そんな夜。 俺は、重大な選択を迫られていた (…このままじゃ、間違いなく奴に殺される!) 冷や汗のせいか夜のせいか、触れて行く風が妙に肌寒い。 こうなるつもりはなかった 誰だって、後悔する時はそうだろう 生き残るには走って逃げればいいのか? しかし、俺は奴から逃げきる事ができるだろうか 奴を殺せる可能性など無いに等しい。 どちらにしろ無傷で助かるのは無理だ 俺は、ただ逃げる為にここに戻って来たわけじゃない。 ――そうだろ?
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