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「よっ!香ちゃん!」
私を見るなり軽い感じで手を上げる穣先輩。
今日は1人じゃなかった。
高柳 一馬(たかやなぎ かずま)先輩と飯塚 宗吾(いいづか そうご)先輩も一緒に居た。
この三人はこの中学でかなり有名だった。
いい取り方の有名もあれば悪い取り方の有名も…。
「香ちゃん!ここ座れや。」
言われるがまま私は穣先輩の隣に座った。
ポンッ。
穣先輩の手が私の頭の上に乗る。
「元気出たみたいだな。」
穣先輩はいつもの笑顔で私を見つめてくれた。
「誰だよ!穣!。この可愛い子は。俺等にも紹介してや。」
宗吾先輩がそう言いながら穣先輩にど突く。
「イッテーなー。一年の本多 香ちゃん。お前ら手だすなよ。」
そう言いながら穣先輩が私の肩に手を回した。
「ズリィーな!穣ばっかりいい女寄ってくるんだよな!」
そう言いながら宗吾先輩がポケットからタバコを取り出した。
っと、次の瞬間タバコを持つ宗吾先輩の手を勢い良く掴むと急に今までの顔付きとは一変した。
「そいつはここでは御法度だろ。」
宗吾先輩は…
「わりぃ…つい…」
そう言うと慌ててタバコをしまった。
その時初めて穣先輩の貫禄を目の当たりにしたのだ。
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