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「瞬…」
バイクの音にかき消された私の声に気付くはずも無いがそばに付けたバイクの音に反応し眩しそうな顔をしてこちらを見た。
私はその場にバイクを停止させエンジンを止めた。
「香!」
瞬は明らかに驚いている。
まさかバイクを運転していたのが私だとは思わなかったのだろう。
「香!バイクの免許持ってたのか?」
天然?
それともマジボケ?
私は瞬のトンチンカンな質問に鼻で笑った。
「ばーか。バイクの免許は16だろ。無免だよ。無免。」
私はメットを脱いでフロントの籠に乗せると押して車庫の中にバイクを入れた。
複雑そうな目で見つめる瞬の目線が恐い。
私は瞬の顔が見れなかった。
「学校来いよ。」
瞬は少し寂しそうな声で呟いた。
その言葉の後2人の間には少しの沈黙が流れた。
そして沈黙を破ったのは…。
「あはははは!うける!今更何だよ!友達面か。」
私だった。
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