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「保健室来てナンパしてんじゃないわよ」
そう言ったのは保健室の先生で三浦 裕美(みうら ゆみ)先生だった。
年の頃は24.5位の若い先生。
生徒達からは『裕美ちゃん』と呼ばれてみんなから慕われていた。
「裕美ちゃん。その分厚い本かなり痛いぜ。」
穣先輩は頭をさすりながら裕美先生にそう言うと裕美先生は誇らしげな顔でその本を机の上に置いた。
「痛くなきゃ意味ないでしょ?」
悪戯好きな悪魔みたいな顔をして微笑む裕美先生がみんなから慕われている事は言わずしても見て取れる位自然と頷けた。
「だって裕美ちゃんがデートしてくれないから。」
穣先輩は少し膨れてみせた。
「しょうがないでしょ。穣は私の好みじゃないから。」
そう言うと裕美先生はニンマリと微笑んだ。
「これだよ。」
そんな2人のやり取りのおかげで私の居場所が無い事に気づき私はそそくさと保健室を後にした。
「ちょっと!香ちゃん。」
そんな声に振り返ると穣先輩が保健室から顔を出していた。
「またな。」
軽く手をあげてくれた穣先輩に対し私は軽く会釈で返しまた歩き始めた。
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