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「香?同じクラスの神崎君って人がまた来てくれたわよ。そろそろ出て来たら?」
そう…
あれから二週間が経とうとしているのに瞬は毎日うちに通うよってくるのだ。
けど私は瞬にも合わす顔がない…。
あんな事言っちゃった事に加え私が先輩にふられた瞬間を唯一見ていた人。
初恋がやぶれた瞬間を目の当たりにして瞬がどう思ったのか…。
格好悪すぎ…私。
そんな思いに打ちひしがれてどこかに消えてしまいたいと言う思いで一杯だった。
応答しない私のドアの向こうでは母親が重いため息だけ残しいつものように階段を降りて行った。
そう…これがいつも続いて居るのだ。
…が。
今日はいつもとは違って居た。
母親に加えもう一人階段を駆け上がってくる音が聞こえる。
誰か考える事もなかった。
そう…。
もう一人の足音の持ち主は…。
「香。瞬だけど。居るんだろ?お前と話がしたい。出てきてくれないか?」
紛れもない瞬の声だった。
私は少し動揺している。
近くにあったクッションを抱きかかえ顔をうずめた。
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