親友

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倉庫まで行くとあの日私が初めて乗った車に穣先輩が乗り込む所だった。 「穣先輩!!」 私はバイクの音に負けない位の大きな声で叫んだ。 私の声に反応した穣先輩は片足を車に乗り込んだまま私を見つめていた。 私はバイクを乗り捨て穣先輩に駆け寄る。 「どうして何も言ってくれなかったの!?1人で全部勝手に決めてカッコ良く消えようなんて!ズルいよ!ズルいよ!」 私は穣先輩の胸にしがみついて何度も何度もも胸を叩いた。 先輩はそんな私の両腕を押さえて少し自分から私を離した。 「香。俺は全然かっこ良くなんかなかった。もっといい奴だったらお前泣かすことないと思う。俺は最低な人間だったよ。大阪行くのは俺の意志だ。ここへは帰ってくるか来ないか分からない。」 先輩の言葉一言一言がわたしの涙を誘う。 そして私にトドメの一言が先輩の口から放たれる。 「香。幸せになれよ。」 そう言い残して先輩は大阪へと行ってしまった。
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