親友

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私はしばらくその場から離れる事が出来ないでいた。 太陽も沈みかけ辺りが赤く染まる。 そして私の涙も赤く反射していたに違いない。 1日で最も太陽が眩しいと感じる瞬間は二回ある。 一回は朝日。 そして二回目はまさしくこの時… そんな太陽を背に息を切らし走ってくる人影があった。 目を細めその影を私はジッと見つめていた。 そして近づいて来るほどそれが誰なのか鮮明に見えてくる。 そう…。 その人影は瞬だった。 瞬は横っ腹を抑えながら走ってきた。 そして私を見つけると走る足取りがゆっくりになる。 瞬は私のそばにくると黙って私の隣に腰を下ろした。 「はぁー!疲れた!お前俺置いていくなよ。」 私は黙ってそっぽを向いたまま一生懸命声を殺して涙を流していた。 「何とか言えよ。ここまで走ってきたんだぞ。礼くらい言え。」 恩着せがましい言い方をしていてもやっぱり瞬の言葉一言一言は優しさに満ちていた。 「…バッカじゃないの…。」 私はそんな悪たれしか言えない。 それでも瞬がニッコリ笑って居たのが見なくても私には分かった。
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