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「ありがとう…それから…ごめんなさい…」
私は詰まりそうな言葉を振り絞ってそう瞬に言った。
その瞬間私は襟元を思いっきり引っ張られ後ろに倒れ込んだ。
そこには瞬の右腕があり痛くは無かったがかなりビックリした。
「何するのよ!」
私は起き上がろうとした。
「見ろよ。空って広いよな。こうしてると自分の悩みちっぽけに感じるんだよな。だから空は好きなんだよ。俺。」
そう言いながら赤く染まった空を瞬は見つめていた。
分かる…。
その気持ち。
けど何故か素直になれない。
「私は海の方が好きだけど。」
私の言葉にアハッっと笑い声を上げる瞬。
「海か。海もいいな。」
そんな会話をしながら2人太陽が落ちる空を遠い目で見つめていた。
瞬…
あなたの優しさはいつも私の側にあるね。
その優しさ嘘じゃないよね?
信じていいんだよね?
初めて感じた親友と言う存在感を私は1人噛み締めていた。
次の日から私は前のように学校へ行くようになった。
先輩色に染まった全てを捨てて元あった自分に戻ると先生達は勿論の事周りの人たちの目も変わっていったのである。
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