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空が薄暗くなった頃。
一羅は立ち上がってスケッチブックを閉じ、帰ろうとした。
校舎からは、吹奏楽部の演奏が聞こえ、グランドからは、大地を駆ける足音、大声で怒鳴る顧問の声、ボールを打つ音など、さまざまな音が聞こえてくる。
「さて、と……
んっ?」
一羅は再びスケッチブックを抱え、自転車小屋に戻ろうとしたとき、一人の少女が視界に入った。
その少女はさっきまでの一羅同様、ソフトボール部の練習風景をジッと見たまま、動かない。
どこかで見たことがある。
そんな気がした一羅は、彼女のそばへ歩み寄った。
少女は短い髪をしていて、ジャージ姿、泥のついたスニーカーを履いていた。
鋭い目付きで、男の子と間違えそうだが、男の子にしては小柄すぎたため、一目で女だとわかった。
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