逃げる勇気

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あの日 携帯置いていって 逃げればよかった もっと早く   「真由ちゃん、俺さ。」 「…ん?」 手握ってる… 「俺、真由ちゃんの足になる!」 何を言ってるの? 「だから学校いこ?」 「…あたし何かがいってもみんなの、裕也くんの足引っ張ったりするから。」 「だから?俺気にしない」 へぇ、言うね 「俺は、真由が好きだから。」 「知らないわよ」 あたしは近づいてきた裕也くんの胸を拳でたたき言った。 「あんたなんかに、あんたなんかにあたしの足の変わりなんか無理よ。」 「…真由。」   「分かった…。」 何が分かったのよ 「真由、さよなら」 「…さよなら」   「俺、待ってるから」     そういって帰った     数日後 テレビのニュース ―――高校3年の男子がトラックに衝突し、即死。 名前は 島 裕也       泣き喚くあたし 彼もあたしの足も もう居ない         END         [逃げる勇気]
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