本音をいう勇気

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あたしは放課後、屋上にいった。 笹塚くんは先に来て待っていた。 「…よっ。」 「…うぃっす。」 言葉を返しにくい…。 あたしはフェンスからグラウンドを見渡す笹塚くんの隣に行く。 「朝、悪かった…な。」 「…それ、二回目だよ?」 「あっ…あーそっか?」 あたしはうなずいて返事を返す。 そして勇気をだして一番疑問に感じていたことをきいた。 「ねぇ、なんであんなにむきになったの?」 しばらくの沈黙が続いた。 「俺、小学生んとき暗かったからいじめにあってさ。なんかほっとけなくなった。」 「えっ、笹塚くんがいじめに?」 今まで聞いたこともなかった。 「うん、悔しかった。でも中学で変わろうって思った。」 あたしと…同じ? 「そしたら小学で俺をいじめてたやつ引き下がったからさ。楠木が変わってるのに気付いたとき心配だった。」 「なんで心配だったの?」 「質問ばっかだなあ。…楠木は女の子…だろ?だからいじめられたら…って。」 そんなことまで考えてみてくれてたんだ…。 嬉しい この想い伝えたい。 勇気を 勇気をだして…。
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