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あたしは瀬川 麗菜(セガワ レイナ)。
東京で社長秘書をしている。
毎日パソコンとにらめっこする1日を送っている。
恋愛は…
「麗菜、今日は彼とデート?」
仕事の後、友人の1人が話し掛けてきた。正直こういう会話はうざいとおもう。
「デート?買い物の間違えじゃないの?」
「まったまた~♪」
ニヤニヤするな。気色悪い。
「あたし急いでるから。」
「お土産話、楽しみにしてるからね~♪」
うるさい、誰があんたにあたしの恋愛はなすか。
口軽いからバラされるのが落ちでしょ。
外はすっかり真っ暗。
都会だから星は見えにくい。
「よっ、麗菜!」
「待ってた?」
首をふって否定してくれた。
彼は吉崎 智樹(ヨシザキ トモキ)…あたしの彼氏。あたしよりひとつ下の会社の後輩。
「今日もパソコンとにらみあい、したっしょ?」
「なんでわかったの?」
「目が疲れたって訴えてるしな。だいじょぶか?」
年下っぽくない優しくて頼れるところが好き。
「ありがと、大丈夫だよ。」
そういうと智樹は微笑んでくれた。
「ん、じゃあ行くか。」
あたしの頭をぽんっと手を乗せて撫でてくれた。
「あの服、可愛くないか?きっと麗菜に似合う…はず。」
「はずって何~?」
そんなたわいもない話をしていたら…
「麗菜じゃないか~。」
「し、社長…」
あたしは焦った。
社長の周りにいる人たちはあたしたちの会社のお得意様だから。
中には知らない人も。
「麗菜、こんなとこでなにしてるん…吉崎…きみもいたのか。」
まずい…、智樹は黙ってうなずいてるけどガン見してる。
「僕たちはここで買い物中です、社長はお客様とご一緒なのですね。」
元々目付きは怖いけど営業スマイルが得意な智樹。
営業スマイルを社長にふりながらお得意様をみる。そして一礼を返す。
「誠に恐縮ですが僕たち時間がなくて急いでるんで。これで失礼させていただきます。」
また深々と礼をしてあたしも続いて礼した。
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