この想いを勇気に

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春、桜も咲いて冬の寒さはほとんど感じられなくなった4月の下旬ごろ。 あたしと智樹は結婚式の準備を着々と進めていた。 だが予想以上に大変なもので6月になってしまうことになった。 あたしはかえって好都合だった。6月はジューンブライドだから。 会社でウキウキしていたら社長に注意され社長室に来るよう命ぜられた。 「失礼します、社長。」 「待ってたぞ麗菜。」 社長は結構お年頃、50歳はいってるだろう。 「社長、何のよッ…!?」 あたしは社長に胸を揉まれてしまった。 「社長…何するんですか…ッ!?」 「この時を待ってたぞ麗菜…今こそ私の子を…。」 「待ってください!社長には奥さんが…。」 それ以前にやめてほしかった。 「逃げられたんだよ!つい1ヶ月前にな。」 だからってあたし? ふざけないでとか何言ってんのとかあたしには彼氏がいますとか言いたかった…。 なんてこと…口を汚い唇でふさがれてしまった。 「…ッ…や!」 ワイシャツを脱がそうとする社長…力が入らないそう思った、その時 「社長、書類もって…」 智樹だった…書類を片手に黙ってこっちを見てた。 ダメ…嫌われた。 「…にしてんだよ。」 「吉崎、君の彼女はもらったよ。」 「気持ち悪いんだよ!」 智樹は社長を殴った。 「てめぇなんかに麗菜は幸せにはできねぇよ!麗菜はてめぇと繋がんの拒絶してんだろうが!わかんねぇのかよ!」 あたしは息を呑んだ。 ちらっと智樹はあたしをみたがまた社長を睨み付けた。
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