欲しかった勇気

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「わかったよ。」 しかたないなあ…。   放課後、あたしは廊下を歩いていた。昇降口に向かう途中だ。 「葉月ちゃん。」 ―――誰? 振り替えると一之瀬先輩がいた。 「あれ?葉月ちゃんでいいんだよね?名前。」 何で知ってるんだ!? あたしは頭をコクコクと上下にふり、うなずくだけ。 「これ、君にあげるよ。」 「あたしにですか?」 何だろ……? 「君に持っていてほしいんだ。」 ―――恋愛成就 お守り…?…ぇ!? 「じゃあこれで!」 はっ!!?? 何で先輩が恋愛成就のお守りを、あたしに!? 意味が分からない!!   とにかくあたしは先輩からもらったお守りで勇気をじぶんにつけアタックを頑張った。 お弁当を差し入れしたり、部活中を応援したり。 あたしには精一杯だった。   そんなある日、お弁当を差し入れしようといつものように3年教室前の廊下を歩いていると 「あなた葉月さんよね?」 3年の先輩に呼び止められた。 女の先輩だ…。   裏口前までつれてかれて、お弁当を捨てられ、殴られ、髪をきられて、暴言はかれて…………。 ようするに  いじめだ。   校舎に戻ると一之瀬先輩がきた。 「葉月ちゃん今日は差し入…!?どうしたの!?」
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