欲しかった勇気

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ぼろぼろ、先輩が目の前にいるのにこんな格好…。 「何があったの!?」 「大丈夫です。気にしないでください。」 頑張って笑顔で答えた。 ………限界。 お守りがあったから 「…ない。」 「…ぇ?」 「お守りが、ないんです…!」 先輩がくれたのに!! 「俺も探すから泣かないで。」 ありがとう、先輩。   結局、授業サボってさがしたけどなかった…。 「葉月ちゃん、代わりのお守り買ってくるよ?」 そういって神社にいこうとした先輩のワイシャツの裾を掴んだ。 「あれじゃなきゃ、あれじゃなきゃいやなんです。」 その言葉がいいたかった。 いじめにあったあと先輩に何があったかいいたかった。 でも怖かった。離れていっちゃうんじゃないかって。 勇気があれば言えたかもしんないけどないから。 「どうしたの?」 でもこれだけは言わないと。 「あたしは先輩が…。」 やっぱり怖い…。 「え?何?」 「何でも、ないです。」 何?と聞かれると期待されているみたいでますます言うのが怖くなる。 「葉月ちゃん、俺さ好きな子がいるんだ。」 やめて、ききたくない。 「そう、なんですか。」 「その子はさ、いつも何かに悩んでいるみたいなんだ。俺は助けたいと思うんだ。けどいつも小さなことしかできなくて。」 だから なんですか…
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