欲しかった勇気

5/5
前へ
/24ページ
次へ
「きっと俺には勇気がなかったんだな。」 勇気が?先輩に? 「そんなこと、ないです。」 これだけは言わなくちゃ。 「先輩はその人に少しでも何かをしてあげられたんならそれでいいと、それで嬉しいと思わないんですか?あたしなら少なくともそうです。」 「葉月ちゃん…。」 きっとおせっかいだとおもわれてるよね。 「ありがとう、葉月ちゃん。君がそんな考えをしてるとは思わなかったよ。」 「いえ。礼の程では。」 優しすぎるよ先輩。 「俺はこんなこと葉月ちゃんに言っていいか分からないけど…葉月って呼ばせてくれるかな?」 先輩がそんなことをいってくれるなんて思ってなかった。 「…はい!喜んで!!」 それしか言えない。 けど今なら言える。 調子に乗ってんじゃねぇっていわれてもいい。 「あの、あたしも尚人先輩って…呼んで良いですか?」 先輩、驚いてる。 「あぁ、もちろん♪」   こんなささいなことでも よろこべるあたし あなたが嬉しいことをしたり 言ったりしてくれるから そのせめてのお礼   あなたも喜んでもらえるとうれしいです     END [欲しかった勇気]
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加