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ある学校にとある女の子がいました
その女の子の友達はぞうきんのみでした
ある日、その女の子「郁」が教室のドアの窓拭きをしていた時に突然頭に女性の声が響きました
『わたしの聞き間違いかなー?
今郁って聞こえたんだけど』
『だって貴女、ぞうきん好きでしょ?』
『ぞうきんでする掃除は好きだけど、ぞうきん自体が好きなわけじゃないわ』
『じゃあ読者さんには名前は一緒でも違う人間って考えてもらいましょ』
『というかこの小説の冒頭なによ
わたしちゃんと友達いるし
いなかったらあんたわたしの何よ、友達じゃなかったらなんなのよ』
『保護者』
『…………智の馬鹿』
『貴女よりは頭いいです』
『(いじけ)』
「郁ちゃん
聞こえる?」
郁は辺りを見回しましたが、誰もいません
『スルー!?』
「郁ちゃん
ここにいるわよ」
郁はやっと気付きました
なんと声を出していたのは手元にあるぞうきんだったのです
『気付かなくってよかったよ!!』
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