英雄論

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「竜とは天に昇る機がいまだ熟さぬ時は頭を埋め爪をかくし深淵にひっそりと身を潜めさざ波さえ立てぬ」 「…………」 「だがな、ひとたび機が熟したと見るや風を起こし雲を呼び一気に天に駆け上がる。わしは人間の英雄にその姿を見るのだ」 「なるほど……流石曹操様でございますな」 劉備は静かに微笑んだ。
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