嘆く帝

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帝を手にした曹操には目に余ることがあった。 帝は自分を『曹操の操り人形に過ぎぬ』と車騎将軍である董承(とうじょう)に嘆いたのである。 「朕の先祖は偉大であった。だがどうだろう?朕は……もはや曹操の操り人形に過ぎぬ」 「帝……」 「どうか董承よ、朕のために力を貸してくれ」 「もったいのぉございます」 「おまえには何もやっていなかったな、この玉帯を取らせる」 「!」
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