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三つの太陽が、三つの大陸を照らす世界。
かつては巨大な一つの惑星であった超高熱の球を、数億年前の偉大な魔導士ヴァーレン=アラゴンが三つに分けた。
圧縮された太陽は、それぞれの大陸最大の王国の地下深くに安置され、彼の魔法により、天になくとも大陸全土を包み込む光を生み出している。
おかげで百億年とされた寿命も覆り、長きに及ぶ明るく平和な時代が続いた。
そして、その均衡が崩れることはなかった。
──"あの日"が訪れるまでは。
その日は後に、《大戦争の狼煙(のろし)が上がった日》として語られることになるのだが……それはまだずっと未来(さき)のお話───
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