現実 1

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「おはよう。健一」 「おはよ、健ちゃん」 「おはようございます。先輩」 一気にテンションが下がった。 父さんが微笑む。 「総司朗くんが今日からいそうろ」 「いうなっ」 ぼくは父さんに手を向けた。ぼくは腹式呼吸をして、冷静になるよう、頭に命令をする。 総司朗が居候? 居候ってあれだよな。 自分の家に知り合いが泊まり込むことだな。 間違いないな。 で。誰だっけ。 誰が居候。 総司朗の笑い声が耳に届く。 「健一。びびるなよ。からかったりしないから」 ぼくは両親の目の前なのに、ぶりっこをしない総司朗に驚いた。
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