25人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
ぼくが不安だったけど、ミライに連れられ初心者寮から出た。
この村――幸司村の最大の特徴である、古き日本の街並みが視界に広がった。
それから、和装ではない普通の洋服姿の人達が、町を歩く姿も。
「いつも思うんだけどさ。この村って中途半端だよね。なんで、江戸っぽい街並みなのに、人は洋服着てんの」
ミライが呆れたような視線を向ける。
「あんた。着物着れるの」
「え」
「一応だからいっとくけど。おれは着れるよ。だけど、あんたは」
無理です。
ぼくがそう答える前に、ミライはぼくから視線をそらし歩き始めた。
ぼくは置いてかれないよう、慌て追いかけはじめる。
.
最初のコメントを投稿しよう!