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リビングを出て見つけたのは風呂場だった。
金属の浴槽はひどく錆びていて辺りには苔やカビが大量に繁殖していた。
弥は浴槽の中を覗き込んだ。
手を滑らした訳でもないのに弥はバランスを崩した。
「わぁぁー!!」
弥は悲鳴を上げながら頭から浴槽の中に引きずり込まれるように落ちた。
「キッャァァーー!!」
涼風たちは一斉に悲鳴を上げて涼風と結衣は僕の腕に真希は直人の腕に膝を床に突きながらしがみついた。
恐怖を感じたのは彼女たちだけではなかった。
僕と直人も声は出さなかったものの、お互いに顔を見合わせたときに、ふたりとも恐怖を感じているのがわかった。
僕はさらに、自分の足が震えているのがわかった。
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