始まり

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僕たち6人が通う高校、私立流星学園高等学校は全国に名前を知られている進学校だ。 僕を含めたクラスの人間はさほど頭が良いわけではない。 中学の時の成績は中の上と言ったところだ。 でも、理事長の方針か何かで地元で僕たちと同じぐらいの成績の奴たちが集められ、3年間でどれだけ成績が上昇するか統計をとるらしい。 僕にはそれにどんな意味があるかわからない。 変わり者の理事長のおかげで僕たちが運良く、この進学校に入学することができたわけだ。 僕らは40人1クラスで全員が寮に入って生活をすることになっている。 夏休みと言うことで僕たちのクラスの生徒はほとんど家に帰ってしまっていた。 寮に残っている生徒は、他のクラスの寮生を含めても10人ほどしかいない。 いつもと違って寮は閑散としている。 けれども、寮の管理人は夏休みに入ったのにも関わらず毎日毎日、午前3時に見回りをするのだ。 「じゃあ、帰ろっか」 涼風は残念そうに言った。
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