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最初に見たリビングを通って帰ろうとした時、弥が一点を見つめて唖然としていた。
その視線の先には弥が落書きをしたテーブルがあった。
「なぁ、誰かテーブルの埃はらって汚ーいペアリング置いた?」
そこには傷だらけの指輪が並べて置いてあった。
形からしてペアリングだろう。
僕は全く身に覚えがなかった。
僕が直人の方を見ると、直人は指輪を見て「なんだぁ?」と不思議なものを見る目で指輪を見ていた。
弥がゆっくりとみんな一人一人の目を見ながら聞いた。
全員、首を横に振った。
「まーいっか」
弥は言い、なにげなく2つのペアリングを左のジーンズのポケットに滑り込ませた。
そして、一家4人が自殺した幽霊がでるらしい館を何も起こることなく出た。
幽霊がでるというのはただの噂だと決めつけて寮に向かって走り出した。
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