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その声は……そう、『魔法使いのおばあちゃん』を誰にでも想像させる声だった。
「だ、誰?……どこにいるの……」
『目の前にいるよ……そうそう、私は君の思った通り、魔法使いのおばあちゃんだよ……』
「ま、魔法使い……」
少年は思わず体を固くしました。
いろいろな童話で『魔法使いのおばあちゃん』は悪い人であったため、少年にとって心がよまれたことよりも怖かったのでした。
『怖がらなくていいよ、私は……ああ、私は悪い魔法使いだった』
「どうしたの……悲しいの?」
悪い魔法使いのところは少年にとって一番怖い内容でしたが……
話している声がとても悲しい響きだったので、さっきまでの怖さを忘れて話しを聞こうとしました……
『私はやってはいけない事をしてしまったんだ……』
「やってはいけない事?」
『ああ、誰かが必ず不幸になるとわかっていたのに私はやめる事が出来なかった……君は私みたいになってはいけないよ』
「う、うん」
少年はあまりわからなかったがとにかく頷いた。
そのことに気づきながら……
『それでいい』
と答えました。
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