ロスト・フラグメント：０

一つの歯車

　無接触世界にβ級ロスト・フラグメントが『落ちた』として私達保全隊の魔法使いが出動した。

　『ロスト・フラグメント』とは、滅びた文明、世界の技術遺産の事だ。

　そしてその技術遺産は直接・間接を問わず世界に影響を与え、世界の『崩壊』を早めてしまう。

　そこで私たち保全隊の魔法使いは『ロスト・フラグメント』が世界に影響を与えないうちに回収をするという役目がある。

　『ロスト・フラグメント』には危険度に応じて保全隊がランク付けをしていて、

δ（デルタ）…その世界と似た技術体系の技術遺産。

γ（ガンマ）…その世界と違う技術体系の技術遺産

β（ベータ）…どの技術体系かわからない技術遺産。

α（アルファ）…攻撃性を有する危険度の高い技術遺産。

　とδ～αまでの四つのランクに分けられていて、今回はβ級……つまりなにも分からないという事だ。

　そのため、保全隊の実働部隊から複数の小隊が世界（現場）へと向かった。

　ちなみに私は捜索部隊のツェリ・アーウェイン……部隊の中で最も若く、そして数少ない女性隊員だ。