939人が本棚に入れています
本棚に追加
授業の終わりを告げるチャイムが学校に響き渡った。
雅人は机の脇にかけている鞄を背負った。
「竜真。先行ってる。」
黒板を消しながら先生と話していた竜真は右手を上げた。
すれ違う友達に挨拶をしながら教室をでた。
「待って雅人!!一緒に行く。」
隣のクラスから慌てて準備をしながら美奈子が叫んだ。
しかし雅人は鼻歌を歌いながら歩き続けた。
薄汚い階段は最近建った校舎の使い方の荒らさを語っているようだった。
ゆっくりと階段を下り始めた。
革靴の底とコンクリートがコツコツと当たる音が天井から跳ね返ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!