第二章 ~過去~

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=5年前春= 「ほら!!ついて来い!!」 川沿いに伸びる一本の長いサイクリングロードを走っている。 「ハァ…ハァ、なぁ何キロ走るんだよ!!もぅ15キロはゆうに超えてるぞ!!…ハァ」 息が上がりフラフラになっている雅人が言った。 隣で走っている竜真は話す気力さえ無い程疲れている。 「まだまだだ!!」 泰司は全く疲れてないように淡々と前に進んで行く。 川沿いの桜並木は花びらをちらつかせている。 まさに華の雪だ。 雅人と竜真は花びらが描かれた様に見える白のランニングを着たそんな泰司の背中を追い続けた。 川は桜の花びらを背中に乗せて海へと優しく流れていた。
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