第一章 ~出会い~

2/11
前へ
/264ページ
次へ
=高校3年の春= 高岡雅人は家の前で自転車に寄り掛かっている。 「おはよー。雅人。」 「おせぇぞ。桜間!!あと5分しかねぇだろ!!」 「美奈子って呼んでよ。」 美奈子は頬を膨らました。 「いいから乗れ!!」 美奈子が後ろに乗ると雅人は自転車をこぎ始めた。 毎日二人乗りでの登校。 そんな時間が二人にとって嬉しい一時だった。 いつもの坂道に差し掛かった。 坂道は太陽に一直線に伸び空に続く道のようだった。 雅人は自転車を降りて、美奈子が自転車をこぎ出した。 美奈子の左手にはストップウォッチが握られていた。 毎日の日課が始まる。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

939人が本棚に入れています
本棚に追加