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朝、一つの部屋の中で目覚まし時計が鳴り響いている。
しかし、その部屋の主は起きる気配もない。熟睡していた。
そうして時間が無駄に過ぎていこうとしていた……………が、
「彰吾!いつまで寝てんだ!!起きろ!」
とその部屋の主に叱咤しながら、一人の男がドアを蹴破って入ってきた。
「ほれ、とっとと起きろ!学校に遅れるぞ!」
その声を聞き、やっと部屋の主は目覚めた。
「後2分だけ~。」
と気だるそうな声を出すとまたしても熟睡モードに。それをみて男は……………
「このボケェ!!!俺がそんなこと許すと思ってんのかぁ!!!」
と、罵声を浴びせながら布団を剥ぎ取った。
すると、布団に潜り込んでいた少年の姿が露になった。
少年は眠たそうな顔をして、目を擦りながら男を見た。
「何すんだよぉ…、兄貴。」
兄貴と呼ばれた男を見ると、男の人にしてはかなり綺麗な顔だちで、女だと言われてもあまり違和感がない。しかしその口から出る声の低さと胸の膨らみのないことから女性ではないことが分かる。
髪は長く肩の下まで伸びているのだが、邪魔になるのか、今は後ろでひとまとめにしている。いわゆるポニーテールと言う奴だ。
格好はラフなもので黒のタンクトップにジャージといった風貌である。
「何すんだじゃねーよ。時計見てみろ。もう八時過ぎてんぞ。」
と言われ、
時計を見ると、
…………………八時十三分。
「…………嘘ぉ!!」
少年は慌てて飛び起き着替え始めた。
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