プロローグ

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「なんでもっと早く起こしてくれないんだよ秀兄!?」 秀兄と呼ばれた男の本名は成神 秀一(なるかみ しゅういち)。 ちなみにこの秀一に責任を押し付けているのは成神 彰吾(なるかみ しょうご)、秀一の弟で本編の主人公である。 彰吾は端正な顔立ちで、歳のわりには少し童顔。髪は少し跳ねている。 「何言ってんだ。起こしに来るのは三度目だっつーの。」 秀一は呆れたように返しながら部屋から出ていく。 そして 「メシ作ったけど冷めちまってるかもなぁ。」 と笑いながら階段を降りていった。 「あ~!最悪だ~!!」 と言いながら彰吾は身支度を進めていく。 「また遅刻しちゃうよ。」 と言ってるうちに支度が終わり、階段を降りていった。 一階に行くとリビングで向かえてくれたのは、冷めきった朝食、しかし冷めていてもご飯はご飯。 食べないよりはマシなのである。 しかし時間は待ってくれない。無情にも過ぎ去っていく。 仕方がないので彰吾は冷めた朝食を放っておき、家を出ることにした。 顔を洗い歯磨きをして、カバンを持つと、 「行ってくる!!」 と言って慌ただしく家を出た。 扉を閉めきる前に秀一が、 「行ってこ~い。」と言っているのが聞こえた。 現在時刻 八時二十五分…… 遅刻確定………?
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