4330人が本棚に入れています
本棚に追加
時は過ぎ、一時間目が終わった休み時間。
「うぅ…、厄日だ……。」
とぼやいている彰吾の元に、仲のいい男子が数人寄ってきた。
「災難だったな!二回も説教くらうなんてよ。」
「まっ、彰吾はバカみたいに寝るからな。つーかバカだけど。」
「ホントだよな。脳細胞死んでんじゃねーか?」
と、言いたい放題言う奴らに対して彰吾は、
「うるさいなー、もー…」
と反論する気力もないのかそれだけ言うと顔を伏せてしまった。
「ありゃ、こりゃあ重症だな。」
「まぁ、そのうち直るだろ。ほっとこーぜ。」
「そうだな。彰吾だし」
そういうと友人たちは散らばっていった。
そんなこんなで時間が過ぎ、昼休みになってようやく回復した彰吾は、屋上で寝転び、ぼんやり空を見ていた。
彰吾は空を見るのが一番好きだった。雲の形を見るのも面白いし、何より空の色が心を落ち着かせてくれるからだ。
しかし、今日の空は何か違った。
自分でも何が違うのか分からないのだが、何か変な感じがしたのだ。
(……………?)
彰吾は不思議に思ったが、予鈴が鳴ったので、教室に戻るため立ち上がると、出口へ足を向ける。
「何なんだろ…?」
呟きだけが、屋上に残された。
最初のコメントを投稿しよう!