記憶探し編

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少女は道中色々教えてくれた。 サイキックのこと。 僕の場合、自然とイメージを同調させることでサイキックが発動出来るらしい。 そして敵。 僕達サイキッカーの隠語で抜け殻という意味を持つリーガレット。 リーガレットは人を喰らい、増殖していく本能しか無いらしい。 そして本物という意味を持つマーキュット。 自我を持つリーガレットの進化のようなものらしい。 正直そんな空想物語が実在するとは思えない。 しかし僕はリーガレットを見た。 これも他でもない事実だった。 そして彼女の名前。 「隼風佐里菜」 それが少女の名前だった。 「ねぇ、隼風。」 「ん?」 「此処どこ?」 「…………森の中よ……。見て分からない?」 「…………」 ホーホケキョとウグイスが悲しく鳴く。 そう。 僕達は道に迷った。 「だから言ったじゃないか。森に入るなんて危険だって。」 「危険を冒してこそ本物よ。」 ああ。 今すぐ隼風を殴りたい。
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