風と僕

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気が付くと空に満月が浮かんでいた。 僕はあることに気が付く。 僕は誰なんだろう? 僕は何なんだろう? 此処は? 右も左も分からない世界に来たみたいな気分。 そして分かった。 僕は記憶喪失になったんだ。 コ コ デ ボ ク ハ ナ ニ ヲ ス レ バ イ イ ン ダ ロ ウ ? 「あ?起きた?いきなり倒れるからびっくりしたよ。」 後ろから声が掛かる。 誰? 少女の手が僕の額に触れる。 首を傾げる。 「あれ?今日は拒まないんだ。」 拒む? 何を? 意味が分からない。 そもそも君は誰? 聞いてみよう。 「ねぇ。」 「ん?」 「君………誰?」 「誰って貴方の仲間じゃない。もしかして忘れたの?まぁ勝手に着いて来て拒絶されまくって終いには忘れられる。ああ……私って悲しい女。」 悲しい女というよりやかましい女だと思う。 突如後ろから音がなる。 ガサガサッ! 少女から強い緊張感が漂う。 「ねぇ。『自然戦具』を。」 「『自然戦具』って?」 「もしかして本当に忘れたの?どうしましょう。仕方ない。私だけで倒す。」 倒す……か……? って倒す!? 何を? でも心が何故か騒ぐ。 この緊張感には覚えがある。 とりあえずわかる。 ヤバイ!
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