風と僕

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獣の姿をした化物が姿を現す。 「な……なにこれ?」 化物は突然遠吠えするとこちらに突っ込んで来た。 噛まれる! とっさに僕は回避した。 再び突っ込んで来た。 僕は目をキュッとつむった。 喉笛をかっ斬られる。 と…覚悟したものの中々獣は来なかった。 勇気を振り絞り目を開けてみる。 「!!」 僕は驚く。 目の前で獣が真っ二つになっていた。 「な……何があったんだろ?」 「私よ。貴方本当に忘れたのね?『サイキック』の使い方。」 さっきの少女だ。 「また探す物が増えたね。大変だけど頑張ろうか。」 何のこと? さっきから探すって。 僕は疑問を質問という形でぶつけた。 「うーんとね。事の始まりは3ヶ月前。何か大切なものを探すって。旅に出る貴方が言ったから私着いて来たの。」 何で着いて来たんだろう? というのはちょっと失礼な気がする。 「でね。ちょっとしたことが起きて貴方は人を拒むようになった。」 「ちょっとしたことって?」 「!!う……うぅん。今の忘れて。関係無いから」 「ふーん。」 明らかに彼女の様子がおかしい。 多分とんでもないことが起きたんだ。
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